:: 05風景白馬八方尾根
![雲鳴る](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/2210-300x199.jpg)
おそらく、白馬鑓ガ岳だと思います。
山の上の雲に引き寄せられるように、
谷からの雲がまるで、ゴーゴーと音を立ているかのごとく、湧き上がっていました。
![雲迫る](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/219-300x214.jpg)
雪や岩がいつも滑っているのでしょう、
縦に筋の入った美しい斜面の向こうは谷。
そこまで雲は迫っていました。
すぐにその斜面を覆い尽くしてしまいました。
![雲切れる](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/2010-300x214.jpg)
何もかもを覆いつくしていた雲が一瞬の隙を見せた。
わずかに見えた向こうの峰は美しく輝いていた。
何故かこの世の様子ではないと感じた。
![雲を切る](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1910-300x199.jpg)
おそらく雨の一粒さえ真っ二つに切り裂いてしまうだろう。
そんな鋭峻な岩峰が雲を割っていた。
負けた雲は霧散して行った。
![残雪の谷](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1812-199x300.jpg)
8月も半ばになろうというのにまだこんなに残雪がありました。
あの下では春を待つ植物が眠っているのだろうか。
ふとそんなたわいも無い思いを抱いた。
![雲昇る](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/173-300x199.jpg)
雲は今、そこで湧き、山を昇ろうとしていた。
上の雲が母親だろうか。
山肌に手をかけながら、ゆらゆらと昇っていった。
![雲やむ](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1612-300x199.jpg)
この日は雲の動きがめまぐるしかった。
しかし、この一瞬時を止めたように雲は動かなかった。
まるで何かを待っているように。
![雲沈む](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1513-300x199.jpg)
そして、昇った雲が下り始めた。
ゆっくりと山肌にへばりつくようにして下って行く。
いや、下るというよりは沈んでいくと言ったほうが正確かもしれない。
![雲晴れる](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1413-300x199.jpg)
雨になるかと思ったほどの雲が突然晴れていった。
なんとも変わり身の早い雲だった。青空がまぶしい。
でも、これも一時のこと、またすぐに・・・・・。
![雲戯れる](http://www.tousan13.com/wp-content/uploads/1313-300x199.jpg)
明らかにその日の雲は山と遊んでいた。
結局、白馬鑓ガ岳までは見えたけれど、白馬本体は姿を見せてくれなかった。
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