
上のアングルを右に振ったところです。
こちらには、微かにうごめく人影が。
でも静けさはそのままでした。

これは尾瀬の外。
こちらの方がまだ紅葉が残っていました。

おそらく、白馬鑓ガ岳だと思います。
山の上の雲に引き寄せられるように、
谷からの雲がまるで、ゴーゴーと音を立ているかのごとく、湧き上がっていました。

雪や岩がいつも滑っているのでしょう、
縦に筋の入った美しい斜面の向こうは谷。
そこまで雲は迫っていました。
すぐにその斜面を覆い尽くしてしまいました。

何もかもを覆いつくしていた雲が一瞬の隙を見せた。
わずかに見えた向こうの峰は美しく輝いていた。
何故かこの世の様子ではないと感じた。

おそらく雨の一粒さえ真っ二つに切り裂いてしまうだろう。
そんな鋭峻な岩峰が雲を割っていた。
負けた雲は霧散して行った。

8月も半ばになろうというのにまだこんなに残雪がありました。
あの下では春を待つ植物が眠っているのだろうか。
ふとそんなたわいも無い思いを抱いた。

雲は今、そこで湧き、山を昇ろうとしていた。
上の雲が母親だろうか。
山肌に手をかけながら、ゆらゆらと昇っていった。

この日は雲の動きがめまぐるしかった。
しかし、この一瞬時を止めたように雲は動かなかった。
まるで何かを待っているように。

そして、昇った雲が下り始めた。
ゆっくりと山肌にへばりつくようにして下って行く。
いや、下るというよりは沈んでいくと言ったほうが正確かもしれない。
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